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 高温相が10日にも満たないのです。将来、妊娠に問題が出るのでしょうか?

確かに高温相が10日以下だと心配ですね。加えて低温相と高温相の差が0.3度以内、排卵後の体温上昇がダラダラしか上がらないなら、黄体機能不全あたりを考えるのが一般です。

黄体は排卵を契機に卵胞が変化したものです。その黄体からは黄体ホルモンが出ます。下の絵を参考にして下さい。


 《針で子宮の気を増加させる》
この黄体ホルモンの働きを東洋医学に置き換えると、子宮内の気の働きに相当します。

体温上昇は、子宮内の活動能力の促進の表現あるいは気の温煦作用(気の6大作用のひとつ;温める働き)によるものです。
内膜を厚く変化させるのは、受精卵の定着率を挙げるためです。これは気の営養作用(栄養する働き)によります。 ○ 子宮収縮の抑制は流産を防ぐためです。これは気の固摂作用(固定し落ちなくする働き)によります。

 ここまでを要約すると、子宮に気を送り込む働きが弱いと、黄体の機能不全になりやすいということがわかります。
  また、肝気鬱(かんきうつ)といって全身の気の流れが悪い状態では、子宮への気の流入が減ることもあります。生理周期が乱れる、胸の張りがいつも増して強い、ひどいときには一過性の高プロラクチン血症などを起こします。
  あるいは長期の疲労状態や睡眠不足では、全身の気の不足が予想されます。当然ながら子宮に回す分の気が少なくなります。

 そこで問診はもとより、脈や舌あるいはお腹の状態で、まず全身の状態を把握します。つぎに子宮との関連を考慮します。そして最終的には子宮の気を増加させるような針灸治療をしてゆくという手順となります。

 ■一般につわりというと妊娠初期


 確かに悪阻(つわり)は個性的ですね。それこそ千差万別です。
 今回は、悪阻の機序というか仕組みを東洋医学で説明します。今回は気とがキーワードです。気には大きく@《動かす働き:推動作用》A《温める働き:温く作用》B《形を変えてゆく働き:気化作用》の3つがあります。血は胎児の栄養補給物と考えてください。
  まず妊娠初期〜中期の胎児は意外なほど小さいものです。栄養を与え、どんどん大きくするのはもう少し後の話です。この時期の特徴は、将来に向けあらゆる組織を造りだすため小さな変化を繰り返すことです。いわば「人プログラム」に沿い基盤造りをしているわけです。これを支えるのがBの気の形を変えてゆく働きの役割です。
  ここで先の気血の話に戻りますと、気血は通常の場合には同程度が適当とされています。しかしこの時期は気が血より少し多めになければなりません。これを気の超過状態といいます。これが正常です。
  ちょっと気が多いとバランス的に良いのです。気の温める働きで子宮の温度が少し高くなり、その分体温が高くなります。また形を変えてゆく働きで、あらゆる組織の基礎固めを行います。ちょっと多いのがいいのです。気が余りに多すぎると、@動かす働きがあらわれてしまいます。胎児が非常に小さいうちに動かす働きが起こると、想像して見てください。流産になります。そこで多すぎないように余剰の気を排出するわけです。
 《余剰の気の排出ルート》
 
余剰の気は一般に気血の道である経絡(けいらく)に流すか、体外に排出するかのどちらかになります。月経があるときなら出血とともに外に出すことも可能でしょうが、残念ながら妊娠中なので適いません。残る道は経絡に余剰な気を流すしかありません。子宮に繋がる経(けいらく)絡は任脈(にんみゃく)と衝脈(しょうみゃく)です。併せて衝任脈と呼びます。子宮から出た余剰な気は、まずこの衝任脈に入ります。衝任脈は気街(きがい:鼠径部:股のつけ根)で3つの経絡と交わります。胃に到達する胃経、肝に到達する肝経、腎に到達する腎経です。
 【余気が胃に到達】
余剰の気が胃に入ると、胃本来の下降(消化して物を腸に送り込む)の働きを抑え、膨満感、胃もたれといった停滞的な症状をあらわします。さらに余剰の気の勢いが増すと、逆に上行エネルギーが強まり、悪心嘔吐があらわれ、甚だしいと水まで吐くようになります。悪阻で最も見られる症状です。

ツボは解谿(かいけい)、足三里(あしさんり)、内関(ないかん)などを用います。
 【余気が肝に到達】

 余剰の気が肝に到達すると、専門的には肝鬱化火(かんうつかか)〜肝火上炎(かんかじょうえん)と呼ばれる状態になります。発汗過多、のぼせ、熱くて眠れない、頭痛や頚痛、イライラ感、煩躁、爆発しそうな怒りなどがよくあらわれます。また、常識や判断力を乱し、極端な行動に走ることも少なくありません。その代表が奇食(極端な偏食)や常軌を逸した過食などです。
ツボは太衝(たいしょう)、風池(ふうち)、地五会(ちごえ)、光明(こうみょう)、陽輔(ようほ)などを用います。
 【余気が腎に到達】
 余剰の気が腎に到達すると腎陰虚(じんいんきょ)と呼ばれる状態になります。ほてり、寝汗、熟睡できない、不安感、声のかすれなどがあらわれやすくなります。今風に言えばマタニティー・ブルーに似ています。
 ツボは志室(ししつ)、照海(しょうかい)、復溜(ふくりゅう)などを用います。

各ツボの位置に関しては
『始めてのたまごクラブ09年秋号』に記載してありますので、参考にしてください。

   


 
 《単発か連続か》
 体温はもともとよく上下するものです。患者さんの話をまとめると、一過性で0.2〜0.3程度の上昇なら、原因の特定は難しいようです。もちろん、黄帯ホルモンの萎縮不全や子宮内膜の炎症などによるケースもあります。また貝原益軒の養生訓だった?と思いますが、「生理中は洗髪するな」的な下りがあります。つまり生理中は体外に気血が出てしまうので、今風にいうなら免疫力が落ち、風邪を引きやすくなります。つまり感冒の可能性も考えられます。
 感冒はその後の病状から、割と判断がつきやすいのではないでしょうか。黄体ホルモンは体温上昇と絡んできます。形成不全なら高温期の上がりが悪くなり、逆に萎縮不全なら生理になっても高温期だったり、生理中に再度上がったりします。まずはホルモン値の検査が必要だと思います。東洋医学では圧倒的に血オのケースに見られます。よく使うツボが
血海、地機、次りょうなどです。
 子宮内膜症の場合、炎症のレベルにもよりますが、ときにサイトカインという物質を放出するため、体温が上がることがあります。病院に行く途中にでも親指と人さし指の水掻きのへこみにある
手の合谷というツボを持続的(2分ほど)にギュッと押しから行ってください。
しかし、定期的にそうである場合を除き、一過性の体温上昇なら、「微妙な体調変化」というごく日常的な文脈の範囲で考えるのが無難でしょう。

  《単発はリラックス》
 いずれにせよ、気にしすぎると、かえってその状態を無意識に作り出すこともあります。基礎体温を気にし過ぎ、「上がったらどうしよう」と不安や緊張状態でその日を迎えたら、かえって上がりやすくなります。
 東洋医学では、肝気鬱による鬱熱といって、極度の緊張状態で気が停滞すると、熱を帯びてきます。
 【人の体は動的平衡状態を保とうとする】という原則からも、リラックスすることです。ただし「リラックスしてください」ということはどこの病院に行っても言われますよね。


リラックスとは余分な力が入っていない状態です。
ふたつの視点があります。ひとつは意識を外の別な世界に持ってゆきます。
つまり目下の悩みごとから意識的に心を離します。つまりそのおりに悩んでいられない環境を設定してしまいます。
ふたつめはそのことを意識しながら、呼吸などを整え、筋肉を弛緩させてゆきます。静かに頭で悩みごとを考えながらも、筋肉が弛緩してゆく様を味わいます。さっきとは逆に内に意識を持ってゆきます。
ひとそれぞれやり方はあるでしょうが、内外どちらかの方法で試してみてはいかがでしょうか

 ■『月経前症候群(PMS)』  

 月経の1週間程度前から起こるイライラ感、ザワザワした感じ、判断を誤る、頭痛、胸の張り、火照るなどを総称したものが月経前症候群です。
排卵期〜高温期は子宮内の気が増える時期です。この気は妊娠したおり、受精卵を胎児にまで変化させる役目を担います。しかし受精卵が出来ないときは、余分な気となってしまいます。その気が鬱して体内上部で滞ると月経前症候群となります。
月経1週間前から、就寝前に塗れタオルなどで頚を10分弱冷やし、さらにダン中の千年灸を2壮据えます。その感、お灸の熱を気持ちよさを感じながら、深く深く深呼吸をします。かなり症状が改善されます。

 ■『不妊の方へ』 〜三陰交の勧め  

 三陰交は血の調整機能があります。とくに血を補う効が高いと言われています。血は成熟した卵胞や子宮内膜の充実を図るための栄養素だと中医学では考えます。
低温期〜排卵まで:この三陰交に太衝と関元を加えます。太衝は肝にある血を充実させます。関元は腎精を充実させます。肝の血と腎精が充実していればBBTは安定しやすくなります。この時期の冷えと睡眠の確保には十分配慮して下さい。
高温期:低温期のツボに足の三里を加えます。足の三里は気の充実を図ります。気には温煦作用といって体内を温める作用があり、これにより高温期を維持します。
月経期:この時期はしっかり血を排出しなければ、血が残存してしてしまい。血オという状態に変化します。西洋医学なら内膜症や筋腫の人に多く見られます。血海に三陰交と合谷を加え、月経血を十分排泄するよう心掛けてください。

 ■『白帯下の例』

 帯下病(おりもの)は根治しにくい疾患のひとつです。黄色く臭気があるケースなら、感染症などを疑い、重い腰を上げて婦人科にも行くでしょう。しかし、白いおりものが、多少増えてきたからといって婦人科を訪れる人は少ないようです。
 まずは大量のおりものは湿邪と捉えます。その後に色・量・粘調度などで寒熱を分けます。つぎに低温相や月経の期間、BBT上昇ライン、経血の粘膩性などに考慮し、湿熱下注、陰道湿熱、陽虚内寒、中気下陥などに分類します。また比較的に多い血C併存のケースも考慮します。さらにある種のホルモン剤の投与で帯下が増えたケースもるので、その辺り考慮します。
 40歳の女性のケースでしたが、大量の白いおりものが10数年続いていました。このケースは非常に治りが良く、陽虚内寒証で治療を組み立て2度でほぼ正常量に戻りました。
 今回は専門的過ぎてごめんなさい。まずは陰陵泉水泉に千年灸をしてみて下さい。それでもアウトならご相談下さい。
   

 ■『子宮内膜症と生理痛』

最近子宮内膜症の患者さんが増えています。少し症状を整理してみます。
生理痛
 まず生理痛を語る前に、子宮内膜症を分類します。子宮内膜症は異常内膜が存在する場所によって内性子宮内膜症と外性子宮内膜症に分類します。内性型は子宮筋層に存在し、子宮腺筋症と呼びます。外性型は卵巣にあればチョコレート嚢腫と呼ばれます。卵管や直腸、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)などあるものもこの仲間です。
1.激痛
 生理痛の特徴はまず強い痛みです。下腹部に差し込まれるような激痛があると訴える人が多いようです。初日〜2日目に市販の鎮痛剤を服用する人が多いようです。
2.徐々に強くなる
月経の回数の度ごとに徐々に痛みがひどくなっていきます。半年単位ぐらいでみて行くとよくわかります。
3.つれる(引っ張られる)感じの痛みも
異常内膜組織と骨盤内のどこかが癒着しているときに起こりやすい痛みです。骨盤痛ともよばれています。
4.肛門痛なども
異常内膜組織がダグラス窩や子宮後壁にあり、周囲の組織と癒着すると、性交時痛や鈍痛を生じます。また直腸と癒着による排便痛や生理時の肛門痛が現れます。
5.出血量が増える
子宮腺筋症は子宮筋層に異常組織があるわけですから、徐々に子宮自体が大きくなります。それに伴い月経血も増えます。子宮筋腫に似た症状になります。

《『血お』で処置》

症状により違いますが、かなりの人で中医学でいう『血お』の状態が出てきます。下記が『血お』に良く使うツボです。
○ 血海、合谷、崑崙
平時(生理ではないとき)は血海に市販のお灸をして下さい。 生理時は合谷と崑崙を用います。
             

 ■『ストレスと月経』

 来週は仲間と温泉旅行。予定なら月経初日とは3日ほどのズレがある。『ドキドキ、でも大丈夫、きっと大丈夫!!』と言い聞かせるM江さん。 自分に言い聞かせているくらいだから、実は相当心配しているのでしょう。
 旅行当日、案の定(月経が)始まってしまいました。(実際の例)

 この手の話はそう少なくはありません。
 緊張状態やとても気になることがあると、中医学では気の運行が乱れると考えます。専門用語では気滞といいます。
 体内各所の血や水分を運行させているのがこの気なので、気の乱れは即座に血や水分の運行、排泄に影響するのです。つまり月経が乱れるわけです。だいたい来て欲しくないと願う日に来てしまう傾向があるようです。
 ちょうど東京周辺の鉄道網のような感じと考えてください。現在、鉄道ダイヤがあまりに密になり、互いに相互乗り入れもあるため、JRのちょっとした事故が、関係ないだろう思われる私鉄にまで影響し、乗降客の足に多大な影響を及ぼすのと似ていますね。
 この緊張からくる気滞型の月経の特徴は、月経周期の不安定、排卵日のズレ、月経時に腹部の強い張り、高温期後半からのイライラ感などとして現れます。月経開始の数日前から乳房の張りが痛いほどになり、ブラジャーさえ外したくなるのも、このタイプの人です。このような状態のとき、横に軟弱な彼氏、人の話を聞かない夫、後片づけのできない息子がいたら怒鳴ってやりたくなります。
 このようなときは怒鳴るまえにだん中、風池、太衝などのツボを押して下さい。

        

 ■『高温期が短い』

この号から数回は、婦人科について中医学の視点から考えてみます。
今回は高温期についてです。
 基礎体温表をつけた人なら誰でも知っているように、月経周期は排卵を境に低温期と高温期に別れます。それぞれ2週間ほどあり、合わせて4週間のサイクルが出来上がります。
 不妊症の人などには高温期の短い人がよくいます。10日前後で終わります。このようなケースでは、低温期〜高温期の移行に時間がかかりすぎることが多いものです。
 中医学では、妊娠するための必要な物として、子宮内に気、血、生殖の精の3つの物質があると認識しています。このうち排卵〜高温期にかけては、気が増量される時期です。増量された気の推動作用(物を動かす働き)で排卵が促され、温煦作用(温める働き)で子宮内温度が上がり、それに伴い体温もあがるわけです。
 そこで気が足りないとどうなるでしょう。間違えないで下さいね、気合いが足りないのではありませんよ。
 当然ながら温煦作用が弱く、高温期に到達するまで時間がかかります。
このようなときは関元や気海というツボが有効です。
 同じ足りないケースでも、子宮内や子宮までの道筋(経絡)に何んらかの邪魔する物(C血や痰飲)があり、その結果として気が上手く子宮内に届かなかったり(通過障害)、子宮内で気の溜まる場所が少なく、気が足りない場合もあるでしょう(子宮内容積の縮小化)。
このケースでは腎兪、三焦兪の組み合わせがよく効きます。
 皆様も千年灸などで是非に試してください!!!!!!

    


 
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